
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
成人の場合、いびきをかく人で、1時間に5回以上睡眠時無呼吸があり、日中に強い眠気や集中力低下などがあると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠時無呼吸症候群は、肥満の方に多く見られますが、やせている人でも、下あごが小さかったり、扁桃が大きい、などがあると気道が狭くなりやすく注意が必要です。女性より男性がやや多く、男性では40~50代、女性では閉経後に増えます。
診断には睡眠検査を行いますが、多く見られるのは、のどが塞がって起こる閉塞型睡眠時無呼吸です。
主な治療には、CPAP(シーパップ)という治療器械をもちいる方法、マウスピースを夜間装着する方法と、のどを広げる手術があります。
この病気は、日中の眠気、熟睡感のなさなどの他、高血圧症や心臓病や脳血管疾患を悪化させるのでできるだけ早く診断し、治療を始める必要があります。
軽症の場合は、寝る姿勢の工夫やマウスピースの使用を検討します。
中等症以上の場合は、CPAP療法を行います。CPAP療法は寝ている間に気道の閉塞が起こらないように、呼吸をサポートするための機器を装着して行う療法です。治療には慣れが必要ですが、効果的な方法です。
寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させて治療する方法です。CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へと空気が送り込まれます。
CPAP療法を適切に行うことで、睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、眠気の改善や、血圧を下げる効果が期待されます。
軽度な症状に適した治療方法です。歯科医院でのマウスピースの作成が必要になるため、歯科医院にご紹介して併診となります。
睡眠時に、マウスピース(スリープスプリント)を装着し、下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぎます。また、歯ぎしりの治療の際にも採用されます。
一般的な流れをご紹介いたします。個々の症状や事情により治療計画を作成していきますのでご安心ください。
来院されましたら受付に保険証や診療情報提供書(持参された方のみ)をご提示ください。
問診票をお渡ししますのでご記入頂き、終わりましたら受付スタッフにお渡しください。
※出来る限り詳しくご記入ください。特に他の医療機関にお掛かりの方は受診されている医療機関名、病名、処方内容などお教えください。
問診でお伺いした事をもとに、医師が診察を行います。事前問診に加えてさらに深く医師がお話を伺います。お話を踏まえて睡眠不足が引き起こす諸問題などをご説明していきます。
実際の睡眠状態を把握するためにご自宅で行う簡易睡眠ポリグラフ検査(簡易PSG検査)を行います。スタッフにより装着の仕方、正しく検査を行うための注意点の説明、次回の検査結果説明までの日程調整を行います。
簡易PSG検査は、自宅で検査ができるため、検査のためにお仕事を休んだり、スケジュールを変更する必要はありません。患者さん自身で検査装置を装着し普段通りに就寝することで、睡眠中の呼吸状態などを記録します。
治療を行う上で非常に重要となりますので、出来る限り実施されることをお勧めします。
当院は原則保険診療にて治療を進めていく保険医療機関です。
簡易型PSG検査は、3割負担の場合の自己負担額は約2,700円です。
自宅での睡眠検査を行った後、異常の程度により精密検査の実施やCPAP治療などの開始を検討いたします。睡眠検査はご本人では知りえない睡眠の状態が数値化されたものでご理解頂くまで丁寧にご説明させて頂き、ご納得頂きながら治療に繋げていきます。